2016-11-24

Stepping out of the comfort zone: シンガポール2年目の記録 -私が今年日本に帰らない理由

まったく季節感のない常夏のシンガポールでも、クリスマスのイルミネーションを至るところでみかけるようになり、年末が近づいているということを意識する機会が増えてきた今日この頃。
なんとなく来月はばたばたしたり、自分のモードが変わってくる気がするので、ちょっと早いですが今年のことを振り返っておこうと思います。

今年のテーマをひとことで表すとすれば”Stepping out of the comfort zone”でしょうか。
自分がこれまで『居心地がよい』と感じる場所からでること、これが今年のテーマでした。

特に取り組んできたのは
①自分が世界を捉える視点・見方を変えること
②英語を話すことが”普通”である環境で自分のコミュニケーション能力を鍛えること
③いろいろなバックグラウンド、価値観、生き方に触れて、自分自身の考え方の幅を広げること

シンガポールに移住した前後、ライフハッカーに寄稿させていただいた記事。
おかげさまで、ここに記載したようなシンガポールに引っ越す目的や欲しかった環境は、ある程度想定通り得ることができています。
[blogcard url=”http://www.lifehacker.jp/2015/04/150410singapore_challenge.html”]

一方シンガポール2年目の今年は、もう一歩踏み込んで自分が『なりたい自分』に近づくべく、今年は「絶対日本に帰らない」と決めて、ひたすら上記の①、②、③の方向性に合うことを最優先に過ごしてきました。
それぞれどんなことをしてきたのかを、自分自身の記録と、そしてまたこれからシンガポールや海外で働きたいと思っている方、現在シンガポールや海外で働いている方で同じような気持ちで挑戦されている方の何かしらの参考になったら、ということで書き残しておこうと思います。
(ほかにもよい方法があるよ!という方がいたらぜひ教えてください:))

①自分が世界を捉える視点・見方を変えること:
30年間日本で生まれ育った私は、無意識でいると日本人視点のものの見方・考え方・情報の得方になります。たとえ世界のどこにいたとしても、”自分の世界の中心は日本”になってしまう。特に私の場合、期限の決まっている海外生活ではないからこそ、帰ろうと思えばいつでも一時帰国できてしまう。日本で生まれ育った以上、仕方がない部分もある一方、少しでも自分の世界を捉える視点・見方を変え、日本を客観的に見ることができるようになるためには、まずしばらく物理的に日本を離れることを選びました。

また、もうひとつ意識してきたのは、世の中の動きに関して自分が得る情報源を変える、ということ。日本のテレビやインターネットを含めたメディアから情報を収集すると、当たり前ですが、日本のメディアのフィルターにかかった情報しかえることができません。また海外の事情に関する日本のメディアの情報は、日本語への翻訳等が必要ということもあって、英語版での第一報からたいがい少し遅れてリリースされています。私にとっても母語である日本語でリリースされる情報を見聞きする方が圧倒的に楽ではあるのですが、シンガポールのメディアが英語で発信する情報をできるだけ取り入れるようにしています。特にChannnel News Asiaは、東南アジアのビジネス情報・時事情報が多くて面白いのでよく見ています。

「自分が世界を捉える視点・見方を変えること」は、言葉でいうほど簡単なことではないけれど、一歩を踏み出さないことには、また継続をしないことには、始まりません。継続あるのみです。。

②英語を話すことが”普通”である環境で自分のコミュニケーション能力を鍛えること:
私が日本を離れたひとつの理由は『英語が話せることが”特別扱い”される環境』であるということ。ある程度英語が話せるようになった状況で、それ以上に自分の英語の実務能力を高めるには『英語が話せることが”当たり前”とされる環境』に移るほかないな、と感じていたのは、シンガポールに拠点を移したひとつの理由でもあります。

現在、米国系企業のシンガポール法人に勤めているので、日本人の同僚及び日本人のクライアントとのコミュニケーションを除いては基本的に英語です。また日本人同士であっても、特にemailは英語でコミュニケーションをとることがほとんど。また仕事以外でも、できる限り英語がネイティブの友人たちと過ごすようにしています。
私自身が望んでいた環境の中で日々待ったなしにコミュニケーションをとらなければならないので、自分の言いたいことがうまく表現できなくてボキャブラリーがもっと必要だなと思ったり、自分の英語が話している英語が正しいのかよくわからなくなったり、乱れてるなと感じたり(笑)全体的に自分の英語力を底上げするため、単期のコースに通って一通り英文法を復習したり、現在も3週間1度ぐらいの頻度で英語のパーソナルレッスンを続けています。また、英語の思考回路を強化するために、これまでいくつかのメディアから頂いた日本語での寄稿記事の案件も、下半期からは一旦すべてお休みして、できる限り日本語を使う機会を少なくしています。今回の記事しかり、Blogでは日本人向けの情報発信は日本語でしていくものの、しばらくの間頻度は減ると思います。

シンガポールは公用語が英語である一方で、ローカルのシンガポール人が普段使う英語は『シングリッシュ』と呼ばれる、英語に中国語やマレーの要素が加わった独特の英語を話します。便利な部分もある一方で、英文法の観点から考えると間違っている部分も多いので、私はできる限りあまり使わないように、取り入れないようにしています。。w
シンガポールは、それぞれの母語に影響を受けた様々なアクセントの英語を話す人たちがいるので、そういうどんな英語にも対応できる力をつけるにはよいかもしれませんが、きれいな英語を身につけたい人にとってはあまりよい環境ではないかもしれません。。個人的には、少なくともある程度ニュートラルな発音を身につけてからのほうがよいと思います。ウエスタンネイティブすらも影響を受けると言っているほど、シングリッシュの感染力はかなり強め(笑)

③いろいろなバックグラウンド、価値観、生き方に触れて、自分自身の考え方の幅を広げること:
シンガポールには、本当にたくさんのバラエティに富んだバックグラウンドの人たちがいます。
みんないろいろな国で生まれて、育って、そして今シンガポールにいる。もちろんそんなことある意味”分かっている”ことだし、いまはインターネットで世界中のいろんな人のことを簡単に調べられる時代です。でもやっぱりただ知識として”知っている”と、実際そういう人たちと出会って、一緒に過ごして”知っている”というのは大きな差があると個人的には思っています。少なくとも、私は後者でありたい。

特にシンガポールは、様々なグローバル企業のアジアパシフィックの統括拠点になっているので、若くして地域を統括するような仕事をしている人、グローバルに著名なスタートアップの起業家など、「この人、世界のどこにいっても働けるんだろうな」というような優秀な人たちに結構な高い頻度で出くわします。そういう人たちを見ていると、いろいろ自分のこれまでの仕事や自分の世界基準でみた社会人としての価値について、いろいろと考えさせられます。。

『いろいろなバックグラウンド、価値観、生き方に触れて、自分自身の考え方の幅を広げること』が何になるのか、お金になるのか?と言われると、それはわからないけど、少なくとも私自身の人生は豊かになると思っています。だから、これまでも、これからも、たくさんの自分とはまったく違う環境で過ごしてきた人たちとたくさん出会って時間を共にしていきたい。

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と、ざっとこんなところでしょうか。

どれもいま現在進行形で取り組んでいることなので、また道半ば。でも、以前の自分と比べると確かな変化を感じています。そして、なんとなく目処が立ちそうな気がしている春先ぐらいに、一度日本に一時帰国しようかな、と。

シンガポールにきてまだ2年目ですが、こんなことをして日々過ごすうちに、自分の中で大きく変わったことがあります。
それは『予想できないこと・将来を楽しめるようになった』こと。

日本にいた頃ももちろん将来のこと、先のことは予想がつかなかったわけですが、とはいっても日本に住んでいることを前提にした将来はある程度想定される範囲がある。でも、ここシンガポールにいると先のことが本当にわからない。特に私が期限の決まった海外生活ではないからかもしれないけれど、ずっとここにいるかもしれないし、しばらくしたら日本に戻るのかもしれないし、はたまたシンガポールでも日本でもない国に住む、ということもあるかもしれない。

これまでの人生でも、私なりにいろいろな挑戦をして、うまくいったことも、うまくいかなかったことも、それぞれたくさんあって。
でも、結果的になんとかなったし、すべてが今の自分につながっているということが、30歳過ぎてやっと腑に落ちて(笑)『予想できないこと・将来』も”まぁ、なんとかなるし、結果(自分にとって)良いようになるよね”と、心から思えるようになってきたのかもしれません。

先のことは何もわからないし、決まっていないけど、『なりたい自分』の姿とそれに向けてのアクションはたくさんとって、日々楽しんでいこうと思います!

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